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オミックス医療とは

オミックス医療(Omics-based Medicine)研究とは、オミックス(Omics)情報を駆使して、疾患の予防、診断、治療、予後の質を向上することを目指す医科学研究の名称です。

オミックス情報とは、網羅的な生体分子についての情報であり、具体的にはゲノム(Genome)やトランスクリプトーム(Transcriptome)、プロテオーム(Proteome)、メタボローム(Metabolome)、インタラクトーム(Interactome)、セローム(Cellome)と呼ばれる、様々な網羅的な分子情報をまとめた情報、知識、集合のことを指します。

ゲノムとはDNAの塊のことで、ゲノムには遺伝子(Gene)が含まれています。遺伝子は、我々の細胞の中の材料を作るときの設計図として日常的に利用されています。遺伝子の情報を利用する時には、遺伝子の特定の領域が転写(Transcript)されて、mRNAが作られます。このmRNAの情報の総体をトランスクリプトームといいます。mRNAの情報をもとに、タンパク質(Protein)が作られており、そのタンパク質情報の総体をプロテオームと呼んでいます。 細胞は、この様な様々な分子材料を使って代謝を行い、代謝物(Metabolite)を産生し、その結果、毛髪の色や身長の違いといった形質が、目にみえる形で表現されたもの(表現系、Phenotype)を生み出します。

このようにして、細胞内で遺伝子をもとに様々な化学反応や活性が起こりますが、それぞれの分子レベルで区切った一定の集合を総体(オーム、-ome)としたとき、それらを総合してオミックスといいます。

オミックス情報は、それぞれの集合レベルをシステム制御の概念で繋ぐ複数の分子情報のネットワークとして考えることができるので、生命を分子的ネットワークのシステムとして理解することが重要であると、私たちは考えています。

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